


この所、外国人労働者が非常に増加している。
グラフに示した通り、2008年では 48万人だったが、2018年では146万人にまで増えている。
10年間で 3.0倍に増えている。
では、外国人が何故日本に働きに来ているかを考えると、それは日本の方が賃金が高いからである。
中国の農村や、ベトナム、フィリピンなどの賃金は日本と比べて比較的低いので、日本に出稼ぎに来ている。
そのことは、日本人が時給 1200円でなればやらない仕事を、外国人は時給 900円でも喜んでやることを意味する。
だって、本国より高給だから。
そうなると、パートやバイトで働いている日本人労働者は、彼らと比較され、割高だと考えられ、一つには就職が難しくなる。もう一つは、賃上げが難しくなる。
一方、経営者目線で考えると、安い外国人を雇うことによって、努力をしなくても売り上げと利益を確保できることになる。
これが、日本のデフレスパイラルの落とし穴になっている。
もし外国人が居なければ、経営者は、比較的少数の日本人労働者でやり繰りをする為に努力を迫られる。
経営者は、第一に他社に人材を取られないで自社で人材を確保する為に、非正規を正規に昇格させるかもしれない。非正規の賃金を上げるかもしれない。
さらに、経営効率、生産効率を上げる為に、日本人従業員に教育投資をしてスキルアップさせるだろう。
さらに単位時間当たりの生産量をアップさせる為に、IT をはじめ、最新の機械を導入しなければならない。
逆に言えば、機械などの投資をすることによって、今いる少数の人間で、多くの売り上げと利潤を上げる努力をし、それを達成するだろう。
つまり、ひとことで言えば、外国人労働力が増えれば、日本人の給料は上がりにくくなり、経営者は努力をしなくても済む。
外国人労働者を制限する政策を取れば、日本人経営者は雇用している労働者に教育などを施し、精鋭化を進める。
なおかつ、経営者はIT や新しい機械を導入が進み、そのことで一つの工場なり、事業所の売り上げと利益は上がることになる。
そうなると、企業側にも、更なる事業展開なり、従業員への教育費や賃上げなどをする余裕が出来ることになる。
日本のGDP の最大ボリュームは 国内消費である。
外国人労働者を制限することによって、日本人労働者の雇用機会は増え、賃金が上がり、日本人の購買力が上がり、物とサービスが売れるようになる。
今、日本の経済界に求められているのは、安直に安い外国人労働者を雇うことではなくて、今いる日本人労働者に教育をし、モチベーションを上げ、ITはじめ機械を導入するなどして、売り上げを上げ、利益を核ださせることだと言える。