伊勢神宮の「神明造(り)」という建築様式を調べて見た。
神社の建築とか、古代の建築様式は、仏教が入る前と後で大分違うと思う。
もともとは弥生時代の米蔵の様式が伊勢神宮に引き継がれ、弥生時代、古墳時代の住居の様式が出雲大社の建築様式に引き継がれいると書いてあった。
私は、職業キャリアで、鉄筋の関係はある程度、木造の屋根の関係は短く働いて来た。
だから、建築には興味がある。どの様に組み立てるか?とつい考えてしまう。
この点で、神明造り 伊勢神宮について考えてみたい。
この様式の特徴を数点挙げたい。
① 屋根に あばら骨の様な 「堅魚木 かつおぎ」が 9本、ないしは10本並んでいる。
これは、私には 壮大な装飾に見える。
ただ、神社なので、神道的な意味があるのかも知れない。
② 屋根 の端部に 角(つの)が出ている。 これは 千木 です。
これも 私には がっつり、壮大な装飾に見えます。
③ 屋根はもちろん重く、雨が降れば更に重いです。
これを支えないと行けない訳ですけど、いわゆる 大黒柱に当たる、最大の柱(棟持柱)と屋根の間に若干の隙間を取っている。
つまり、この大黒柱は、構造上 屋根を支えてないのです。
屋根の重みを支えているのは、壁です。壁が全体として屋根の重みを支えるいわゆる「壁構造」となっています。
④ 普通の建築物は 礎石という基礎となる石を設置して、その上に柱を建てます。
しかし、伊勢神宮の柱は礎石を使っていません。
この理由は、良く解りません。しかし、これは弥生時代の古い慣習と伝統を引き継いでいるのかな?とも思います。
⑤ 高床式 造り
階段で登って行って、初めて1回のフロアに出ます。
これは、日本の湿潤な気候で、米を腐らせない、またネズミや昆虫の侵入を防ぐという実利的な理由があったと言われています。
これは、世界的には、パルテノン神殿や、ヨーロッパのゴシック建築とか、有名な建築物がありますが、それらと比べても、全く感嘆する建築構造であり、意匠も素晴らしく、日本人の古代の世界観、宗教観を具現化した凄い建築物だと思います。