

産経新聞の論説委員さんが下の様に語っているように、日本の経済は、プライマリーバランスを守ると言って、消費税増税を行って、景気を冷やして来た。
NHKなども、このままでは国の赤字が 1000兆円を超えて、日本が破産する、というデマを言って来た。
NHKがこういうデマを言うのは、私が思うには政治家への忖度があるのだと思う。
真実を伝えることより、政治家の先生方の意に沿わない報道はしない、ということだ。
では、財務省はなぜ、こういうデマをいうのかと言えば、財務官僚としての権力を行使したいからだ。
緊縮財政で、他の省庁の要求を、国が赤字だから使えない、と言って、予算を出し渋る。
そうすることで、他の省庁へ威張ることが出来る。
財務官僚と言っても、所詮は一人の人間です。はやり、他の省庁の局長とか部長に威張りたいのだ。
普通に考えれば、消費税の減税をすれば、日本国内の消費意欲は上がり、景気が良くなり、物が売れ、結果として消費税税収はあがあり、所得税税収も上がり、法人税税収も上がる。
逆に、今、防衛税などの為に、少しでも消費税を上げれば、景気は冷え込み、人々は買い控えをする。
そもそも使えるお金が減る訳だから、物を買わなくなる。
そうなれば、消費税税収も減り、所得税税収は減り、法人税税収も減る。
税収を上げたいなら、景気を刺激するのが一番いい。
日本の場合は、輸出よりも国内消費の金額の方が、2倍位多い。
だから、税収を上げたいと思ったら、国内の消費を上げる方法を考えるのが一番いい。
その方法として、賃金を上げるとか、消費税を下げれば、人々は消費をするようになり、それにつれて税収も上がってくる、ということです。
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2022.11.23
幻冬舎GOLD ONLINE
日本人の敵か?財務省はなぜ景気回復のチャンスを潰し続けるか
田村 秀男
産経新聞特別記者、編集委員兼論説委員
間違った経済観が日本を追い込んでいる
■日本の間違い――消費税の増税と国債償還
先に「グローバルに開放された経済では、輸出が増えれば国内の設備投資が増え、それに伴い雇用も創出される。
その波及効果で国内市場が成長していくことになる。
つまり内需は対外貿易抜きには拡大されない」と一般論を述べました。
じつはここのところで日本が変調を来たしている点があります。
例えば円安導入して輸出が増えたとします。
企業収益は伸びます。現下の円の相場水準であれば輸出はもっと伸びる。
さらにアメリカのマーケットも最近拡大している。
加えて、中国向け輸出も増えると展望できれば、「設備投資しよう」とか「もっと人を雇ってみよう」という企業が国内に出てきます。
つまり設備投資や雇用増進のインセンティブが出てくるのです。
ところが日本はそういうときに限って消費税の増税をやります。
そうしたら企業のほうは「えっ、なんだ。それじゃあ国内の売り上げ、やっぱり伸びないじゃないか」ということになって、設備投資を控えていきます。
「やっぱり海外でやろう」と。
だから海外シフトばかり進んでしまうのです。
こんな初歩的な間違いを、日本はもう延々と繰り返してきているのです。
どうしてそうなるのでしょうか。結局、政治家の責任放棄です。
財務省の官僚にしてみれば、プライマリー・バランスが赤字ですから一刻も早くこれを解消したい。
だから少しでも景気が良くなったら、あるいは企業収益が増えたら、政治家を「もう景気は大丈夫です。
心配の必要はありませんから消費税の増税をやりましょう。
消費税による税収は社会保障財源に充てますから」と口説きます。
政治家も「お、そうだな、そうだな」と乗ってしまう。
それで内需を殺してしまうのです。
せめてデフレから完全に脱却して、内需の成長がどんどん高まって、物価が需要の増加によって自然に(2%程度)上昇するというふうに、経済が正常化したあとならいいのです。
そうなったうえで消費税をきちんと考えてみる。
ところがそうなる前に、先食いしてしまうわけです。
それから傷に塩を塗り込むように国債の償還もしてしまう。
国家には増税があろうとなかろうと税収があります。
当然景気が良かったら税収は増えます。
ところが、その増えた税収を国民経済に戻さないと内需が冷えるのです。
これはすでに基本的な経済理論として証明されています。
それにも拘わらず、日本政府は平気で国債の償還をやってしまいます。
『日経新聞』がよく「GDP比で国の債務が2倍を超えてます。
これは世界でいちばん悪いです」というようなことを書きますが、これが強い強迫観念になっていると思います。
私に言わせれば「世界でいちばん悪くて何が悪いんだい?」なのですが……このことを『日経新聞』『朝日新聞』に代表されるマスコミ、経済学者、財務官僚、そして政治家が「大変だ」「大変だ」と延々と言っています。
こういう間違った経済観が日本を自ら追い込んでいると思います。
はっきり言えば経済観が日本はあまりにもお粗末ということなのでしょう。
恐ろしいのは、経済が失速している時代が長いと、皆モノを買わなくなるのが普通になってしまうことです。
このままではお金がいくら入ってきても使わなくなります。
これでは内需が収縮していくばかりです。
若い人たちはほんとうにお金を使わない印象です。
たぶんお金を持つようになっても使わない。
日本経済の現状では希望的な展望がないからです。
これの打開には経済を成長させることが最も効果的なのです。
こうしたデフレ心理は25年間も人々に沈殿しており、払拭するためには政府が思い切った財政出動を長く続けるしかありません。
デフレ脱却のチャンスを潰す財務省
■日本という国の借金
「国債は国の借金」とよく言われます。
いま現在、日本の政府は借金しているかもしれませんが、民間にはお金が余っています。
というのも、民間はとくに国外にお金をどんどん出していますから。
要するに“カネ余り”の状態です。
そんな国が借金大国ということはあり得ないことです。
国全体としては借金どころか、お金を持て余している。
世界に向けてお金を大いに供給しているわけです。
そもそも「国の借金」という言い方が大変な誤解を招くと思います。
国債は言ってみれば政府の借金、政府の債務です。
政府の債務は民間の債務や家計の債務とわけが違います。
どういう意味で違うのかというと、政府は最終的になんとでも債務を処理できるということです。
ひとつは永久国債にできます。
つまり償還義務がない国債にするという方法です。
利払いだけするというものです。
利払いといっても、いまの日本は金利がゼロだから払う必要はありません。
それからもうひとつは政府には徴税権があるということです。
その税金で国債を償還するという方法です。
しかし、それだと増税してまで返せということになりかねません。
そうなると増税してまで返す意味があるのかがポイントになります。
景気が過熱している、つまりこのままだと相当なインフレになるかもしれないというときは、確かに財政を絞って、需要を抑えていくことはあっていいでしょう。
こういうときに国債償還のための増税はできます。
これらの対処ができるということで、政府の債務は企業や家計の債務とは違うのです。
■デフレ脱却のチャンスに失敗した理由
ホワイトハウス高官が「日本はこのまま沈んじゃダメだ、中国に対抗するためにも日本は強くなければならない。
だから小泉改革を成功させ、日本の経済を小泉の手でよくしたい……それでアメリカに利益が回ってくる」と強調していたこと、そして小泉政権時代の経済成長に結びついたのは、外務省の溝口善兵衛財務官とアメリカのジョン・テイラー財務次官の“密約”による円安誘導だったことにも触れました。
小泉政権時代に景気は輸出主導で回復しました。
しかしデフレからは脱却できませんでした。
それはなぜでしょう。
給料が増えないのも、「安いニッポン」に成り下がったのも、すべて経済成長を軽視したことが原因です。
やはり内需が立ち上がらなかったことに尽きます。
加えて財政も均衡主義、緊縮主義を貫いて、財政出動を控えました。
そのため財政収支赤字のGDP比はどんどん縮小していきました。
縮小していったとはどういうことかというと、それだけお金を吸い上げて、民間には戻さないということです。
要するに国債の償還ばかりやっていたということです。
そうなると内需はなかなか立ち上がりません、お金が出てこないわけですから。
均衡主義、緊縮主義にさえこだわらなければ、小泉改革のときにデフレ脱却できました。
否、脱却できなかったとしても、そのきっかけはつくれたと思います。
財政収支は均衡していなければならない、プライマリー・バランスがゼロにならないといけない理由はどこにあるのでしょうか。
政治家としては「財政は悪化しちゃダメだよな。プライマリー・バランスがゼロになるようにもっていったら俺の功績だ」という考え方になるのでしょうか。
田村 秀男
産経新聞特別記者、編集委員兼論説委員
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