民主党、鳩山由紀夫政権では、普天間基地は「最低でも県外に移設する」を公約にしていた。
それがフタを開けてみれば、「それは出来ない」と表明し、なぜ出来ないかは一切説明しなかった。
鳩山総理は日本の国体を甘く見ていた。
こと米軍関係の問題は、日本政府や国会、自衛隊がどうこう言うことは出来ない。
地位協定も、事実上の治外法権を認めている。
米軍関連の案件は、戦後数十年「日米合同委員会」で決められてきた。
日米合同委員会は、在日米軍副司令官らと、外務省北米局長らで話し合われる会議で、完全非公開になっている。
そして、その内容は、報道関係はもちろん、国会議員にも非公開になっている。
つまり、米軍関連の政策は、政治家を外して、外務官僚と関係官僚が、内閣に関係なく、直接在日米軍司令部と駐日大使との話し合いで決定している。
だから、鳩山総理は、そういう日本統治の仕組みを知らないで、最低でも県外に移設する、と言ってしまったのだ。
移設の問題は、日本政府が望んでも、勝手に決めることは出来ない。
移設の問題は、在日米軍と、ペンタゴン、国務省の了解を得なければダメな訳です。
寺島実郎さんの動画では、寺島さんが米側の人と話をしていて、懇意になった人からは、「アメリカ政府は日本のことを保護国、保護領と考えている」と打ち明けられたそうだ。
保護国の分際で、日本の自治政府だけで、本国アメリカとの相談なしに、最低でも県外、と言ってもダメなのだ。
その問題は、横田空域の問題と同じことである。
首都圏の上空の管制権は、アメリカ軍が握っている。
だから、日本の民間機、自衛隊機は、基本的に首都圏の北西側の領空を飛行できない。
日本航空も、全日空も、広大な アメリカの支配下にある空域を迂回して羽田空港を利用している。
絶対的に、アメリカ軍と アメリカ政府の力が強くて、「横田空域」を取り上げる国会議員もいないし、新聞テレビも報道しない。
そこはタブーな訳です。
自民党の国会議員の先生方も、アメリカ軍については、飽くまで、お伺いを立てる、という姿勢を取っている。
基地移設に関しても物も言えず、国内で議論も出来ず、「治外法権」についても議論もできず、横田空域も議論すれ出来ない。
それが自民党であり、日本の国会議員なんです。
しかし、これは自民党の国会議員の先生のせいにだけにしていい問題ではないのです。
そもそも、国民が「日本が攻撃されたら、アメリカ軍に守ってもらう」という考えな訳です。
自分では戦いたくない。アメリカ軍に代わりに戦ってもらいたい、と考えている。
また、かなり昔ですが、「私、にほリカ人」という音楽がありました。
これは、日本人だけど、アメリカ人になりたい、という歌です。
日本の国民は、ハリウッド マンハッタン、に強いあこがれをもっている。
そうした、国民世論があるから、日本はアメリカの属国、属領であり続けているのです。