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旭川女子中学生イジメ殺人事件 自慰強要  

投稿者:ジュリア  投稿日:2021年 8月23日(月)22時44分27秒   旭川女子中学生イジメ殺人事件 自慰強要  (文春オンライン)



 今年2月13日、北海道・旭川。氷点下17℃の凍てつく寒さの夜に突如、自宅を飛び出して行方不明となった中学2年生(当時)の廣瀬爽彩(さあや)さん(14)。

 警察は公開捜査に踏み切り、家族や友人、ボランティアらが必死に捜索を続けていたが、残念ながら、爽彩さんは3月23日に雪に覆われた公園の中で変わり果てた姿で発見された。

 警察による検死の結果、死因は低体温症。爽彩さんは失踪当日に亡くなっていた可能性が高く、その遺体に堆く雪が積もった結果、発見が遅れてしまった。

 発見当時、爽彩さんの遺体は凍っていたという。

 なぜ、中学2年生の少女がこのような悲惨な死を遂げなければならなかったのか。

 「文春オンライン」取材班が現地で取材を進めると、爽彩さんは2019年4月、Y中学校に入学してからほどなくして、警察が捜査に動くほどの凄惨なイジメを受け続けていたことがわかった。

 爽彩さんは今年2月の失踪直前まで、イジメによるPTSDに悩まされ、入院と通院を続けながら自宅に引きこもる生活が続いていたのだ。


イジメ集団と中学近くの公園で出会ってしまった


 爽彩さんの母親がイジメの事実を知り、「娘の様子がおかしい」と、親族に相談を持ち掛けたのは、爽彩さんがY中学校に入学してから2カ月経った6月のことだった。

 親族の1人は「イジメにあった後の爽彩は、それまでとは別人のように変わってしまった」と悔しさを滲ませる。

「もう元の爽彩ではないんですよね。何て言うんだろう。イジメを受ける前と後の爽彩は、周りの誰が見ても明らかに違ったんです。

 以前は笑って外に出かけたりして、勉強も好きな子でした。『将来は検察官になる』と言っていた子が、イジメを境に学校にも塾にも行けなくなってしまいました。

 医者からはPTSDと診断され、やがては自分の部屋に引きこもってしまった。時々、部屋からは『ごめんなさい、ごめんなさい』と独り言が聞こえて、何かに謝っているようでした」(同前)



2019年4月、爽彩さんは地元のY中学校に入学した。

 学区の関係で、爽彩さんが通った小学校からこの中学校へ進んだのはわずか数名。

 爽彩さんはクラスになかなか馴染めなかったという。

 きっかけとなったイジメグループとの接点は、中学入学から間もない4月中旬、中学校の近くにある児童公園で生まれた。

 緑溢れるその公園は付近の小中学生のたまり場だったという。


「爽彩は中学に入学してからはいつも、塾に行く時間が来るまで、そこで勉強をしたり、小説を読んだりして過ごしていました。

 やがて、その公園で、同じ中学の先輩らと顔見知りになる中で、2学年上のA子と知り合ったのです。

 最初のうちA子とは、公園で話したり、夜に帰宅してからは音声を繋ぎながらネットゲームをしていたようです。

 ただ、A子の友人のB男と、近隣の別のZ中学校に通うC男がグループに加わると様子がそれまでとは変わっていきました。

 夜ゲームをしている時も、わいせつな会話をしながら、ということが増えていったそうです。

 この頃から、A子、B男、C男らによるイジメが始まったようなんです」(同前)

 天真爛漫だった爽彩さんの表情からは笑顔が消え、家でも暗く思い悩んでいる様子を見ることが多くなった。

 5月には、生まれて初めて母親に「ママ、死にたい……」と洩らしたという。 前出・親族が続ける。



「今までそんなこと言ったことがなかったのに、部屋からぽっと出てきて『ママ死にたい、もう全部いやになっちゃって』と。

 母親が『何があったの? イジメとかあるんじゃないの?』と聞くと、『大丈夫。そういうのじゃない』と答えたそうです。

 ゴールデンウィークには、深夜4時くらいにB男らにLINEで呼び出された爽彩が、いきなり家を出て行こうとしたところを母親が止めるという出来事もありました。

 母親がいくら止めても、爽彩は『呼ばれているから行かなきゃ』と、すごいパニックを起こしていた。

 ようやく引き止めたものの、その後もひどく怯えていたそうです」



C男が脅迫《動画送って》《写真でもいい》



 一体、爽彩さんの身に何が起きていたのか。

 のちに母親らが警察やイジメグループの保護者などに聞きとって判明したのは、C男が爽彩さんに対して、しつこく自慰行為の動画や画像を送るよう要求していたことだった。

 取材班も現地関係者に取材する中で、C男が爽彩さんに対して送っていたLINEのメッセージを確認した。

 6月3日、C男は爽彩さんに対して、次のLINEメッセージを送っている。

《裸の動画送って》

《写真でもいい》

《お願いお願い)

《(送らないと)ゴムなしでやるから》

 C男は爽彩さんに自慰行為の写真を携帯のカメラで撮って送るようしつこく要求。

 まだ12歳だった爽彩さんは何度も断ったが、上記のような暴力をちらつかせ脅迫するようなメッセージもあり、恐怖のあまり、自身のわいせつ写真をC男に送ってしまったという。

 それを機に、A子、B男、C男らによるイジメが目に見える形で露骨になってきた。



母親が何度も相談したが、担任教師は「イジメはない」


「A子はそのことがあった後に、爽彩に『大丈夫だった?』『私はあなたの味方だから』と言って、親切な友達のように装っていました。

 しかし、その一方では、C男が爽彩のわいせつ画像を入手したことを知ると、『私にも送って』と催促。

 C男はA子に爽彩の画像を転送したそうです。その後、複数の中学生が入っていたグループLINEにその画像が拡散されたこともありました」(前出・親族)


怯える愛娘の異常な様子に心配した母親は、何度も中学校の担任教師に「娘はイジメられているのではないか」と相談したという。

「4月に1回、5月に2回、6月に1回、担任の先生に『イジメられていますよね? 調べてください』とお願いしたが、担任の先生からは『あの子たち(A子ら)はおバカだからイジメなどないですよ』『今日は彼氏とデートなので、相談は明日でもいいですか?』などと言って取り合ってくれなかったそうです」(同前)



複数で取り囲み、その場で自慰行為をするよう強要

 イジメは、さらに凶悪で陰険なものとなっていった。6月15日、爽彩さんはA子らにたまり場の公園に呼び出されたという。

「当時、公園には緑が生い茂り、外から園内は見えにくくなっていました。

 A子、B男、C男に加え、C男と同じZ中学校のD子、E子も後からやってきました。さらに公園で遊んでいた小学生も居合わせ、複数人で爽彩を囲んだのです。

 そして『爽彩が男子中学生に裸の画像を送らされたり、わいせつなやりとりをしていた』という話を男子生徒が突然し始めると、周りを囲んだA子やD子、E子ら女子中学生が『それ今ここでやれよ。見せてよ』と、爽彩にその場で自慰行為をするよう強要したのです。




その後、『公園では人が来るから』とA子らは、爽彩を公園に隣接する小学校の多目的トイレに連れ込み、再び自慰行為を強要しようとしました。

 複数人に取り囲まれ、逃げ出すことも助けを呼ぶこともできず、爽彩は従うしかなかった」(同前)

 爽彩さんは、この“事件”が起きたころから自暴自棄になり、執拗なイジメに対して「もう好きにして」「わかった」と、答えるようになった。

 もはや抵抗する気力も残っていなかったのだろう。



 誰にも相談できず、凄惨なイジメに耐え続けていた爽彩さんだったが、その後、イジメはさらにエスカレート。ついには、4メートルの高さの土手から川へ飛び込むという事件にまで発展してしまうのだ――。
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