投稿者:ジュリア  投稿日:2021年 4月20日(火)19時16分47秒 とてつもなく物価が安くなった日本 それが意味する重大なこと


1.失われた20年で日本の物価は驚くほど安くなった。

では、その原因はどこにあり、その結果、将来的に日本に何が起こるのだろうか。

経済アナリスト・森永卓郎氏が、『安いニッポン 「価格」が示す停滞』(中藤玲・著/日本経済新聞出版本部)から読み解く。



2. 薄々気づいている人も多いと思うが、世界から見ると、日本の物価はとてつもなく安くなっている。

本書は、日経新聞記者の著者が、日本の低物価の実態とその原因、さらには今後どうしたらよいのかをまとめた書籍だ。

 ダイソーの百円商品、マクドナルドのハンバーガーに始まって、回転ずしからディズニーランド、アマゾンプライムなどのサービス料金に至るまで日本の物価がいかに安いかを本書は冒頭で紹介する。

具体的な国際比較の数字を突き付けられると、本当に驚く。

 なぜそんなに安いのか。物価は二つの側面で決まる。

一つは需給関係だ。日本は、かれこれ四半世紀近くにわたってデフレを続けてきた。

デフレのなかでは、売り上げを確保するための値下げ競争が繰り広げられる。

それが、日本の低物価の基本的な原因だ。

 ただ、物価はコストの積み上げで決まるという側面もある。

本書が重視するのは、その点だ。日本では、最大のコストである賃金がまったく上がっていない。

実際、かつてG7トップだった日本の賃金は、いまや韓国にも抜かれる始末だ。

それが物価安の原因になっているのだ。

 問題は、なぜ賃金が上がらないのかということだ。

本書は、生産性が上がらないからだとしている。それは正しい。

付加価値が増えなければ、賃金を増やせない。

それでは、なぜ生産性が上がらなかったのか。私は、産業政策の失敗だと思う。

かつて日本の家電産業は、世界最強だった。

しかし、いまや国産のスマホやパソコンを使う人は少数派になってしまった。

 物価安は、日本が発展途上国に転落したことを意味する。

インバウンドはあるが、日本人は海外旅行に行けなくなる。

優秀な人材は海外流出し、大部分の日本人は、海外企業に安い賃金で雇われるしかなくなる。

それをどう防げばよいのか。著者は断言を避け、複数の有識者のインタビューに委ねている。

その意見はさまざまだ。ぜひ本書を読んで読者自身が考えて欲しい。

※週刊ポスト2021年4月30日号https://www.moneypost.jp/780508

失われた30年  GDPの推移  日経平均の推移  物価の推移  デフレ  平均所得 
 所得の中央値  所得の最頻値  平均年収の推移  各国の時給の推移  各国の購買力平価 
 安い日本  非正規雇用  構造改革  民営化  グローバリズム  MMT  リフレ派 
 積極財政  新自由主義  人口減少  レジ袋有料化  少子化  非婚化  結婚できない  
 非正規雇用  出生数の推移  国連人口統計  出生率予測  フランスの出生率  
 移民政策  介護人材  外国人労働者  大東亜戦争  自衛隊  高崎市役所  生活保護  
 不正受給  神川町役場  社会福祉課  福祉課

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事