国際関係論の専門家で、台北を拠点に研究活動を行っている伊ローマ大学ラ・サピエンツァ(University of Rome La Sapienza)のファブリツィオ・ボッツァート(Fabrizio Bozzato)氏は、チェコ代表団の訪台で「中国政府が台湾を包囲して築こうとしている政治的・外交的な壁は、越えられないものではないこと」が確認されたと指摘する。
英ノッティンガム大学(University of Nottingham)中国政策研究所(China Policy Institute)のジョナサン・サリバン(Jonathan Sullivan)所長は、チェコ代表団の訪台は台湾にとって、中国政府の「圧力と疎外化が続く中で、心理的な励みとなった」との見方を示した。
その上で、「新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)をはじめ、香港や南シナ海(South China Sea)など多岐にわたる問題において、中国が取る立場や行動は民主主義国の価値観と乖離(かいり)している。そのため、今後はより多くの政治家が立ち上がり『われわれにとっては、それではだめだ』と表明するようになるだろう」とサリバン氏は述べた。
ビストルチル上院議長は今回の訪台について、旧ソビエト連邦の強権体制の影響下にあった旧チェコスロバキアの共産政権を打倒した1989年の「ビロード革命(Velvet Revolution)」の指導者、故バーツラフ・ハベル(Vaclav Havel)元大統領の遺志を継ぐ旅になると述べている。(c)AFP/Amber WANG